春先に出た最初のうつの症状との決定的な違いは①とにかく将来のことが不安になる②自分には価値がないと強く感じる、の2点でした。
病院では先生から「この数ヶ月で良くなったと思い込み、無理をしてしまったのかもしれない」との説明を受け、違う薬を処方されました。
ただ、薬を飲んでも今回は症状がなかなか良くなりません。
髪の毛が大量に抜ける
そんな状態が2週間ほど続いた後、身体にこれまで出ていなかったさまざまな異常を感じるようになりました。
まず髪の毛が突然、大量に抜け始めました。仕事をしていると机の上に抜け毛が落ちているのが徐々に気になるようになりました。
さらに帰宅して入浴する前に髪を触ると、バラバラと20本ほどの髪が抜けるようになりました。これが毎日続くのです。
それまでの人生で薄毛の兆候はあまり無かったので、これはかなりの恐怖でした。
逆流性食道炎になる
さらには胃に違和感を感じるようになり、ゲップがよく出るようになりました。
ちょうど人間ドックの時期だったため、胃カメラを飲んだところ、検査後の写真には広範囲に白くなった胃の内壁が写っていました。典型的な逆流性食道炎の症状でした。
心療内科の先生に体調の異変を報告したところ、「うつ病になると抵抗力が弱り、いろんな病気が一気に噴き出てくる」との説明を受けました。
目が見えなくなる
「あれっ、左目が見えない」。突然、一時的に目が見えなくなるという経験もしました。
ちょうど仕事をしていて新聞制作の締め切り時間が迫っていた時でした。
私は元々右目に円錐角膜(角膜が尖って、視力が低下する病気)を抱えており、右目の視力は0.02程度しかありません。
コンタクトをつけると痛いので右目でものを見る事は期待せず、視力が1.5ある左目だけが頼りです。
ただ、頼みの左目がぼやけてしまっては、原稿を編集するのはほぼ不可能です。
流石に焦った私はトイレに駆け込み、顔を洗って個室で深呼吸を何度も繰り返しました。
15分ほどたつと運よく左目が次第に見えてくるようになり、急いで席に戻って原稿を編集し、何とか締め切り前に原稿を編集し終えることができました。
「あれはいったん何だったのか」。ネットで色々調べてみると、自律神経が乱れているときに目が一時的に見えなくなるなどの症状が出やすいことがわかりました。
「うつ病は広い意味では自律神経のバランスが崩れることで発症し、自律神経失調症を併発しているといえる」と説明しているサイトもありました。
胸の圧迫感が続く
さらに日常的に苦しむことになったのは、胸の息苦しさです。
例えるなら食道の奥から風船を膨らませられているような圧迫感が常に続き、やる気や思考能力を低下させます。
心療内科の先生によるとパニック障害の一種のようで、一般的に「SSRI」と呼ばれる薬を処方されました。
「これはホルモンを少しいじる薬ですが、拒絶反応は少なく、ほとんどの人が楽に飲める薬です」。
そんな説明を受けて、試しに薬を飲んだところ、拒絶反応がてきめんに出ました。
胃の調子がさらに悪くなり、食欲がない状態がほぼ一日中続きました。
「これは続けられない」と判断し、飲むのを一日で断念。血管を拡張することで息苦しさを抑える別の薬を処方してもらいましたが、効果はさほど強くなく、息苦しさは現在も続いています。
こうした数々の身体の異変はうつ病と相まって、自分の人生に対する不安感をますますかき立てていくことになりました。
次回へ続く。
コメント